知らない顔のあなたに

エンタメと私情

スキップとローファー

 

今日一日でアニメ「スキップとローファー」を全て見てしまった。

 

漫画を少し読んでいたので、漫画で進めたいからとためらっていたのだけど、見て本当に良かった。

漫画を読んでいたからこのアニメに出会えたのかと思うと『あの時読んでいて良かったな』だし、これから漫画を追う楽しみもできて一石二鳥だ。

 

 

特に良かったのが、原作への愛がひしひしと伝わるオープニング。

もうこれだけでも良いから見て欲しいというくらい。

 

爽やかで、青くてみずみずしい曲と、メイン2人の初々しく可愛らしいダンス。

ダンスがかわいいのはもちろん、その見せ方の演出がロマンティック過ぎて泣きそうになった。2人の、お互いにだけみせるような表情が素敵すぎて、私が見ていいものなのか?とか思いながら泣いた。

 

(以下、本編ネタバレ)

 

 

 

 

 

石川県の端っこから東京の進学校へ転校してきた岩倉みつみとその友人たちとの青春のお話。

 

正直にいうと、嫉妬でちゃんと見れないシーンもあった。それくらい高校生の記憶が近すぎるので。

 

でも、あの瑞々しさと優しさに満ちた世界はすごく尊くて、ずっと見ていたくなった。

 

 

 

温度感のちょうど良さ、バランスがすごく上手くいっている作品なんだと思う。

誰かの視点から見たら嫌な人でも、その人にはその人なりの事情がある。でもだからといって「全員本当は良いやつなんだよ」的な圧もなく、「嫌な人はいる」くらいのきっぱり加減がちょうど良い。

言い訳がましくないけど、あくまでみつみちゃん主人公の路線を外れずに他の人たちの考え方を教えてくれる。

 

そしてやはり、みかちゃんにどうしても目がいってしまう。たぶん私に似てるので。恋愛、というか「かっこいい彼氏がいるキラキラ女子」を理想に掲げていることは私とかけ離れているのだけど、「他人からこう見られたいがために自分をガッチガチに覆う」苦しさは私にも痛いほどよく分かる。

 

あとまことちゃんにも私は親近感を覚えた。

まことちゃんとゆづきちゃんとみつみちゃん、仲良くなるまでの描写はあまりないけど、そこも含めての間の感じが良い。呼び名や三人の距離感でこちらに教えてくれる感じが。(みかちゃんと三人は別の時間をかけて仲良くなったという認識)

まことちゃんの、仲良くなった人にはとことんマイペースな感じが大好きです。

 

 

物語の土台は東京、みつみちゃんの通う高校なのだけれど、たまに訪れる石川でのシーンも印象的だ。家族やふみちゃんの、みつみちゃんを「分かっている」感じがたまらなく良い。みつみちゃんはちゃんと石川で愛されていたんだなぁ、と。

特に、受験で暗くなってしまったみつみちゃんを、ふみちゃんが外に連れ出すシーン。

机いっぱいの料理をちょっとずつ食べながら泣くみつみちゃんに、大学受験の頃の私を重ねて見てしまって、あのとき支えてくれた友人を思った。ああいう優しさって多分一生忘れないし、ふみちゃんの優しさを深く感じた。

 

 

このアニメはシンプルな線だけどキャラの描き分けがうまくて、美人がまあまあ出てくるんだけど、「生まれながらに何かを持っている人」の苦しみもちゃんと肯定されていて良い。

全員の苦しみとかわいさをひっくるめて愛している感じが、画面全体から伝わってきて、制作陣の愛をとても感じる。

 

 

 

 

原作もとっても良いし、そこへのリスペクトが伝わるアニメも素晴らしかったです。観れて良かった。

 

原作もしっかり追おうと心に決めました。アニメ2期も見たいけど。